Study in ESTONIA

限りなく院生に近いニート

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熱々のサムゲタン ペロリのお時間(下)

ルームメイトはいつもお風呂が長い。
長いといっても30分40分の話ではない。
短くても1時間。長いときは2時間以上はお風呂に入っている。
部屋で勉強していると、扉の向こう側からシャワーの音が聞こえてくる。
それと同時に、ある時からぼくは彼女の長いお風呂が始まったことに強いストレスを感じるようになった。
靴の裏にへばりついたガムのような、いやらしさと不快さを兼ねあわせたストレスだ。
本当に2時間くらいはお風呂から出てこないので、体から鱗が生えてきているのではないかと心配になるくらいだ。
だが、それ以上に問題なのは、彼女がお風呂に入ってしまうと、その間ぼくは風呂に入ることはできないということである。
22時から2時の間くらいにルームメイトはお風呂に入ることが多く、つまりその間の二時間待たされることになる。
そして、彼女のせいでお風呂に入る時間が深夜23時以降になると、
「シャワーの音で寝れない」などと先の尖った言葉で罵られるのだ。
だから気の弱いぼくは彼女より先にシャワーを浴びなくてはならない。
夕飯を食べ終わったその時から、ぼくと彼女のシャワー取り合戦が始まる。
それでも夜に予定がある時はどうしても遅くにシャワーを浴びなくてはならない状況もある。
そういう時は、だいたい次の日の朝に、
「シャワーの音がうるさかった。もっと早く風呂に入って」などと文句を投げられるのが習慣である。
殻にこもってみるも、彼女は隙間を見つけては、そこから排水を注いでくる。
でも、自分は深夜2時にお風呂に入ってもよいのだ。
他人には自分の都合のよいことを注文しておいて、自分には同じルールを課せない。
そこに、小さな独裁国家が誕生した。

LIFE IN ESTONIA

制作事例1

エストニアで暇人生活
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